"本業が忙しかったら選挙に出ない"は決して事実ではない

こんにちは、あるいはこんばんは。しろねこと申します。

私は月曜日に検索用の簡単な記事を1本、日付が回った後に感情と他のメンバーのここ数日の活動に絡めた記事を1本書いて、個人的にすっきりした話だったのでもうこれ以上は言及をやめようかと思ったんですけど、どうにも腹に据えかねる意見を見かけてしまったので。

……ここから下の文章は、読むか読まないかお任せします。とても強い言葉を使って書いている記事です。

 

直接的な引用はやめますが、要約すると「"売れなくなったタレント"の"福利厚生施設"として今回の件は機能している」というお話を耳にしました。「本業が忙しかったら選挙には出ない」とも。

「"売れなくなったタレント"呼ばわりするのはよろしくないのでは」という話に、「"本業が忙しかったら選挙に出ない"」という話で返されていらっしゃるとある方、そしてその方に賛同している方々へのお話です。

 

この発言を見た時に、「そうか、そこから説明しないといけないのか」という自分の無知さ、至らなさと、怒りがわいてきました。ここ数日、自らはどんな感情も持たなかった自分が覚えた初めての感情です。少なくとも一人、ここにはあなた(方)の強い敵がいます。届いてらっしゃいます?

そして、ある程度このブログでは明言を避けていた話のいくつかを、同時にせねばならないな、とも。

 

 

RAG FAIRは"売れなくなったタレント"か

CDやDVDを出せばよい数字が上がってくる、事務所のファンクラブの稼ぎ頭である、という観点から見れば、こんなにRAG FAIR一辺倒のブログをやっている私から見ても、今のRAG FAIRは残念ながらそんなアーティストではありません。

ただ、"売れなくなったタレント"という発言には、"タレントは売れるのが仕事である"というある種の偏見や、傲慢な前提があるように思えます。

 

RAG FAIRの"売れ方"は、本当にラッキーなものでした。世がアカペラブーム・ハモネプ(リーグ)ブームの真っただ中に華々しくメジャーデビューし、同時発売のシングルでオリコン1位・2位を獲得、年末には紅白歌合戦初出場。そのままレギュラー番組をもち、ツアーを敢行すればどこも大歓声で迎えられる。スケジュールの都合でほぼ丸2日間の拘束があった時もありました。

これにはもちろんゼロ年代の音楽に関する時代背景もあるでしょうが、デビューと同時に目まぐるしい渦の中に突っ込まれるタレント・アーティストなんて、そうそう存在しえません。同じ事務所の後輩であるリトグリちゃん*1がデビューから4年、5年経ってようやく今勢いに乗ってきたところだ、と引き合いに出せば話は早いでしょうか。もしくはAKB48の超初期に、秋葉原の劇場公演でお客さんが7人しかいなかった、という話でもしましょうか。とにかく、"タレント"が"売れ(てい)る"のは、決して当たり前のことではないんですよ。

 

そして、RAG FAIRは2011年、活動休止の道を選びます。その理由の一つとしてあがっていたことが、「それぞれのやりたいことをやる」ということでした。ソロアーティストプロジェクト"TTRE"を発足させ、毎月配信音源をアップしていった土屋礼央*2、同じくソロプロジェクト"コードH"をはじめた引地洋輔、そして、活動休止の時期と前後して起こった東日本大震災において、迷わず被災地に駆けつけていった奥村政佳

 

そして、各々がソロやユニットでライブをやってみたり、他のアカペラグループと組んで、今までとはちょっと毛色の違う公演をやってみたりして、「それぞれが得たものをRAG FAIRに持ち帰って、RAG FAIRを活性化させていく」というサイクルで、ふんわりとRAG FAIRを活動再開させながら数年動かしてみた時、ベースボーカル加納孝政が無期限活動休止(≒脱退)の道を選びます。その後のRAG FAIRについて、一度「解散」という言葉が出たのは、今回の報告で土屋がふれたとおりです。しかし、残った5人は、RAG FAIRの看板をかけ続けることを選びました。

"RAG FAIR"は"売れなくなったタレント"ではなく、"自らの意思で「売れることをやめた」タレント"です。表舞台から去るとどちらも同じように見えるかもしれませんが。

 

"自らの意思で「売れることをやめた」タレント"である、という事実として、RAG FAIRが2016年の連休に下北沢本多劇場で開催した自主公演の話を。6日間11公演のうち10公演がチケット完売しています。約400人の会場で10公演が完売。延べ人数約4000人。活動休止前の最終ライブ会場であるZepp Tokyoの収容人数が約2800人なので、まあざっと最終公演の1.5倍近い人が2016年でもRAG FAIRの公演を求めていた、ということです。「その気になれば人は集まる」ことは、2016年から毎年出演し続けている福島フェスの写真を見ても明らかでしょう。"売ろうと思えば、いつだって売ることができる"のがRAG FAIRです。

人間は、現状維持よりも、環境が変わることにより強いストレスを感じます。"本人たちの意思で、「売れることをやめた」"RAG FAIRは、私がはっきり、本人たちの代わりに私が責任をもって、"売れなくなったタレント"ではないことを強く否定しておきます。

 

・"本業が忙しかったら選挙に出ない"という前提は事実か

RAG FAIRは、今もそれぞれのメンバーがさまざまな形でライブを続けています。加藤・荒井が所属するザ・ハモーレ・エ・カンターレ及びBROAD6、土屋のソロプロジェクトTTRE、引地のソロプロジェクトコードH、そしてそれぞれのソロライブ。

重ねて、土屋はラジオのレギュラー、地上波のコメンテーター、雑誌連載や単発の番組出演やトークライブと多岐にわたって活動し、引地はラジオのレギュラーと福島フェスの実行委員を務め、加藤はボイストレーナーとしての仕事もし、荒井はINSPiで療養が必要だった奥村伸二のサポート代わりに出演したり、同じくINSPiが行う学校公演にサポート参加するなど、それぞれがそれぞれの仕事をしています。

そんな中での奥村政佳は、保育士として働いたり、各地で災害が頻発するとものの数日で駆けつけてボランティアとして活動したり、大学院で保育と気象に関する研究を修めたり、自らが立ち上げたアカペライベント"JAM"*3の審査員を務めたり、初代最年少気象予報士防災士として各地で講演を行ってきています。一人一人が近いような遠いような活動をしているのに、それでも決して、誰一人、RAG FAIRから籍は外さない。

特に昨年、RAG FAIRは色々なところから出演のお声がかかっていたと聞いています。ただ、それらが事実として一切こちら側に来なかったのは、「全員のスケジュールが合わなかった」話が非常に大きいのです。RAG FAIRやりたいよね、という話は複数のメンバーの口からも断続的に直接耳にしています。

そんな中、スケジュール的にレギュラーを鑑みて、少し余裕が出てきた矢先のこの報告。RAG FAIRを本業だとするなら、ちょうど、「これから忙しくなるべき時期」でした。JAMを立ち上げ、アカペラ界のみならず日本に"ボイスパーカッション"を広めていった張本人が、自らの意思で芸能の舞台を降りること。「本業が忙しくなるべき時期」に、一人背を向けて去る、籍を外す決断をしたこと。それを知っても、まだ"本業が忙しかったら~"などと、あなたはのたまうんですか。

RAG FAIRを本業とするならそれは事実ではないことは先ほど否定したし、もっと他の、例えば気象予報士防災士としての各地の講演、JAMの審査員、大学院生としての活動を全部ひっくるめて"本業"とするならば、5人になってからのRAG FAIRの中で、一番活動分野も日数も多岐にわたって活動をしていたのがうちの奥村政佳です。

そんなことも知らずに、ソロ・グループ問わずRAG FAIRのライブに足を運んだり、CDやDVDを買ったりしたこともないような人間が、知ったようなことをいうのは、つくづくとても簡単で、同時にいとも簡単に敵を増やす行為だなあ、と非常に強く思います。

 

"本人たちの意思で、「売れることをやめた」"(元)RAG FAIR奥村政佳は、誰よりも忙しく多岐にわたって活動し続け、これから政治の世界で活動しようとしたときに、自分の意思で足かせを外していった人間です。彼にはたまたま、「自由に動く足」が必要だったんです。

 

以上、3年ブログをやってきて、その期間の何倍もRAG FAIRを見てきた人間の、様々な事実に基づく反論です。どうぞご査収ください。

*1:Little Glee Monster

*2:この記事に限って敬称略とします。ごめんね

*3:Japan Acappella Movement