02/24 Cool STYLE vol.2(19'かとちソロDay2) 夜公演(その1)

2日間4公演目。いよいよ終わりで、始まってしまうのが少し寂しかったりして。

 

先に登場するのはみったさん・土井さん・新ちゃんの楽器組。3人ぴしりとスーツでかっこいい。

みったさんのピアノを皮切りに、じわりと世界が作られて、たっぷりと広がっていく。紺のシャツにお帽子のかとちが出てきて、まっすぐなマイクスタンドを斜めに構えて、ぎゅっと持って目をつぶって歌うのは"Feeling Good"。

1番が終わるとぱっと目を開けて歌ってみたり、かと思うとまた目を閉じて歌ってみたり。かとちって、「手で歌う」ことが多い印象で、だから今まであんまり見たことがない歌い方をしてて単純にどきどきする。1番が終わった時にわっと楽器が入ってくるんだけど、その急に、かつ鮮やかに切り替わる感じが、世界をぐらつかせる。「声に酔う」感覚って、多分こんな感じ。そして1曲目からこんなのもってくるなんて、あの、聞いてないです……いったいいつどこでそんな見せ方を得たのか……

最後は両手を伸ばして手のひらを上にして、軽く手と指先をクッとあげて音を止めて。それは「自分自身がcoolだ」ってちゃんとわかってる人のふるまい方で、見てて変な声しか出なくなる。もっかいマイクを握って囁くように「Thank you」って。

 

「みなさん、こんばんはー、」\こんばんはー/「あれ? まだこんにちは、……?」ふと思っちゃったかとち。「……"Cool STYLE"にようこそいらっしゃいましたー! 今日は楽しんでいってくださいー!」

そのままスタンドからマイクを外して、ジャジーなアレンジで続くのは"Fallin' LOVE"。こう続くとこうなるんだーっていうのが新鮮。イントロは明らかに聞いたことある進行なんだけど、曲がはじまったときの「あー、それかー!!」みたいな、編成まるごとに一杯食わされた感。そういうのが好きなんですよ。

バックコーラスもちゃんと楽器にふってくださるみったさんの仕事の細かさよ。あとね、かとちの歌詞の歌い方、言葉の伝え方が本当に丁寧。さっきの"Feeling Good"が耳に飛び込んでくる感じなら、こっちはほんとに喋って悩んで、きちんと物語がある感じ。さすがに4公演目、ちょいと歌詞がへにょったりして、そんな感じもまたかとち。

「どうしましょ集合……」のところでワンフレーズごとに交互に立ち位置を左右に立ち換えて、「ぜったい明日にしよう」でまた正面に向き直って。ああ、そういうところがほんとにかとちだなって思う。

「出会ったときから、好きです」

 

「……改めてみなさん、こんばんはー!」\こんばんはー!/ 「……あれ、まだ外明るいよね、じゃあ、こんにちはー!」\こんにちはー!/「"Cool STYLE"にようこそいらっしゃいましたー! メンバー紹介をします。ピアノ・アレンジ光田健一ー!」みったさんー! みったさんに手でお返しされて次は土井さんへ。「ベース土井孝幸ー!」土井さんも手でかとちにお返し。「ドラムス新村泰文ー!」新村さんもかとちにお返し。

「今日は"Cool STYLE"ということで、こう、"Cool"にお送りしたんですけど。"Cool"っていうのには、ただ"冷たい"とか、そういう意味だけじゃなくてね、"かっこいい"、とか、"シブい"、みたいな……、意味もあるんですよ。だから、そういう意味での"Cool"も楽しんで頂ければ。

1曲目はリクエストでMichael Bublé*1の"Feeling Good"、2曲目はRAG FAIRの"Fallin'LOVE"をお送りしました」つくづく1曲目をリクエストした人のセンスの高さよ……!「今回はリクエストを募集したんですけど、知ってても自分じゃ選ばない曲とか、やってみたかったんだけどちょっとな……、って思ってた曲とか、知らない曲とかもあって。次にやる曲もリクエストなんですけど、これはCMで流れてて、僕も気になってた曲で。Vanessa Carltonの"A Thousand Miles"っていう曲で。これ僕リハーサルやるまで知らなかったんですけど、RAG FAIRの『夏風便り』っていう曲のレコーディングの時に、光田さんと一緒だったんですけど、レコード会社の人に、イントロのピアノのフレーズをこの"A Thousand Miles"みたいな感じにしてほしい、って言われたって聞いて……光田さん、こんな感じでどうですかー、ってもうすぐにぽんぽんフレーズが出てくるんですよ。……"A Thousand Miles"のイントロは……」ピアノでフレーズを弾くみったさん。「じゃあ次、『夏風便り』は……」あ~あ~あ~、なるほど…… みったさんもうさすがです……

「そんな"A Thousand Miles"と、今回RAG FAIRの曲もリクエストもらったので、『スプートニクの恋人』を、」!?!? そこ昼夜で変えてくる*2!?!?「2曲続けてお聞きください」

 

みったさんのピアノフレーズから入る"A Thousand Miles"。ほんっとにリクエストのセンスがめちゃくちゃいい。これをリクエストする人のセンスもいいし、リクエスト来る前からやりたいな~って思ってたかとちのセンスも抜群によい。そしてこれもみったさんのアレンジがすごくいい。イントロのピアノフレーズの繰り返しがバックのAメロのテーマなんだろうけど、それが土井さんのウッドベースでなだらかに響いてきたりもするのがほんとに気持ちいい。

"Feeling Good"とうってかわって、雰囲気はぐっと砕けつつも、お洒落な感じ。楽器とかとちがワンフレーズごとにやりとりしてくとことか、あと歌い方とか。初めて聞く英詞の曲でも、ちゃんと単語と風景とが頭と体に入ってくる。新村さんのリズムもちゃんと「出る」ところをわきまえてらして。

ちなみにこの曲、みったさんのイントロ関連でちょっと面白い話があるので、それはおまけ記事あたりに。

 

そして『スプートニクの恋人』。これ、ほんとにほんとにやると思わなかった。アルバムの時にかとちがリードとるかどうか悩んで、結局は礼央さんが歌うことになったんだけど、ソロやるようになってから結構かとち自身が選ぶ曲で。それでね、かとちはね、ソロでやるとき、Bメロ*3を英詞で、西沢サトシさんのバージョンで歌うの。なんだろう、「先がわかる」のに、こんなに予想通りに向かえた先の景色で苦しくなってしまうと思わなかった。きれいなものは当たり前にきれいだし、美しいものは当たり前に美しい。私の心を撫でるにはやわらかすぎるし、愛する、愛されるには甘噛みがすぎる。

そして、唯一アルバムでかとちがリードとったCメロ、"When my soul,……"に入っていく。みったさんの流れるようなスケールから、新村さんのドラムが粒だって際立って聞こえてきて、これで泣かずにどうしろと。

なんか、こっちが疲れてるからなのか、ゆっくり休んでねって言われてるようで、こんなにやさしい「おやすみ」も、"Good Night"も、ずいぶん久しぶりに聞いたような気がする。泣いた後に肩の力が抜けていくのがよくわかった。

 

「……ありがとうございました。次もリクエスト曲なんですけど、井上陽水さんの『夢の中へ』という曲で。これはみなさんも知ってるように、ただ探し物を探す歌なんですけど……、この曲は、実は2番の歌詞が陽水さんが本当に言いたかったことなんじゃないかなって」2番の歌詞を朗読しだすかとち。「……そう、"探すのをやめた時"に"、見つかることもよくある話で"。……なんか、そんな感じの歌です」4公演目、がんばれかとち……

 

そんな「夢の中へ」。土井さんがエレキベースに持ち替えて、しっかりとしたイントロフレーズが響く。あんまりちゃんと聞いたことなかったので、曲自体のつくりや進行は結構シンプルなんだなあと。

この曲、知ってるけど普段のかとちはなんやかんやで手が伸びない曲だなって思う。そしてこれを長谷川さんとの初日に持ってこずに、この編成にもってくるっていうチョイスも面白いなあー。

 

「次も……次もリクエストなんですけど、」ラジオっぽい進行になってるのに舞台の誰からも突っ込まれず、客席からこらえきれない忍び笑い。

Maroon5の"Sugar"って曲なんですけど、Maroon5は"世界で最も売れたアーティスト"のベスト14……くらいにも入ってるアーティストで、」順位はやたら具体的なのになぜかアバウトになるという。「で、Maroon5マイケル・ジャクソンにすごく影響を受けているとされていて、この"Sugar"も、マイケル・ジャクソンの影響が強くて、この曲でマイケル・ジャクソンの曲*4が歌えたりして。で、タイトルはそのまんま"砂糖"って意味なんですけど、」つ、疲れてる…… 「歌詞は、"砂糖をちょうだい、そうしたら甘いものが好きなあなたは寄ってきてくれるから、あなたが寄ってきてくれるためにもっともっと甘いものをちょうだい"、みたいな……」

 

じゃ、いきます、そうやってはじまった"Sugar"。細かく刻んで吐く息からはじまって、テンポも音域も上下するボーカルをひとりで歌いあげるかとちと、遠距離コーラスできっちり後ろから支えていくみったさん。その後ろでしっかり刻まれる土井さんのベースと新ちゃんのドラム。リズムがきっちり聞こえてくるだけでめちゃくちゃお洒落になる。

これでももっとかとちは甘いものが欲しいなんてのたまうの……? なんて、思わず聞き返してしまいたくなるような。かとちの解釈通りに取ったら(もちろん良い意味で)吐きそうに甘いくらいの歌詞ですよ。それをこんなに、今までの曲とはまた違った形で"Cool"にもってくる。砂糖だけで息を止められることもあるんだなって、それはもうひどくつくづくと。

ぴたりとリズム組メインのカットアウトで終わるのもすごくかっこよかったです。リクエストの洋楽センスと採用センス、お互いがとにかくよすぎる。

 

リーダーパートからまたその2に続く~

*1:マイケル・ブーブレ

*2:昼公演は『eternal weekend~午前0時の恋人達へ~』

*3:「何億光年向こうの~」/「触れたら壊れそうな夜に~」

*4:Beat It