12/25 Oh!クリスマツリ2018/ザ・プリンスパークタワー東京Melody Line(その2)


M「今回はちょっと、こないだまで来日してた*1、(The)Stylisticsをちょっとメドレーでやろうかなって。結成50年ですよ。RAG FAIRがこの間結成……」N「17年……? 18……?」K「17周年なので、18年目ですね」さすが毎年周年記事をあげるかとち! しっかりしてる! M「どう50年って。想像つく?」つかないよねえ。 M「メンバーがもうだいぶ入れ替わっちゃってて、最初のメンバーなんてどこにいるのかって感じですけど。そんなStylisticsから、"You Make Me Feel Brand New"って曲をやるんですけど、かなり前にCMでやってたやつですね。これは結構ファルセットに特徴があって……ラッセル・トンプキンスJr.(Russell Thompkins Jr.)のパートなんですけど……加藤君ちょっとどんな感じかやってみて」急にふられて戸惑うかとち。 K「!?!?、……いつもは"Ah~"って感じで、」M「stylisticsだと?」K「"Ah~~"」M「 ……違いがあるようなないような感じですけど」stylisticsの方が空気をたっぷり含ませてる感じがしたような……

M「で、もう1曲は『愛が全て』―"Can't Give You Anything (But My Love)"って曲ですけど。これもCMで使われていたことがあって。キムタクが出てたGATSBYの……マンダムとGATSBYってどう違うの*2」まだ話します!? 

M「我々ハモカン、結構色んな曲をやってるんですけど、今まであんまりソウル系ってやったことなくて。Stylisticsはフィリー・ソウルっていう、フィラデルフィアで流行った黒人中心のソウルミュージックで。そんな感じで……加藤君がなにか言いたそうにしてます」さっきからずっとPAさんに向かってギター弾くふりをするかとち。M「お腹がかゆいそうです……」違いますって。M「違うね、ギター下げて、だそうです」うまくいったかな。

M「それではstylisticsメドレーを、2曲続けてお聞きください」

 

"You Make Me Feel Brand New"。みったさんからスタート。このみったさんが先陣切って世界観を作ってく感じ、好きだなあ。

で、かとちの歌い方……息たっぷりで、確かに今まであんまり聞いたことがないような歌い方。あとめちゃくちゃ歌い方を寄せていっててびっくりした。でも新境地開拓、ってわけじゃないのよ。そっと沿わせて、穏やかに寄り添って出てくる感じ。

聞いてると、今年夏でもツアーでもやった雨の曲メドレーみたいな気持ちよさがあるんだけど、それとは質の違う気持ちよさがあって。雨の曲メドレーが「外側に溶けていく」気持ちよさなら、stylisticsは「内側と溶け合う」気持ちよさ……って言ったらいいのかなあ。ゆったり、穏やかに奏でる曲がよく響くようになったよねえ。

 

続いて"Can't Give You Anything (But My Love)"。さっきのキムタクMCに引きずられてるのかなんなのか、"You Make Me Feel Brand New"の歌い方を踏まえつつ、ちょっとかっこつけてどやった感じで歌うかとち。これは…………
かとちのすごさはそのままに、後ろの楽器組が超絶技巧してる。サビ前の細かい連符のフレーズはみったさんが引き取って、ちょっとエッジの効いた感じは長谷川さんが鳴らして。このそれぞれの細かなところまでよく行き届いた感じは、確実に演り甲斐があるだろうなー……!

 

M「加藤慶之ー!!」かとちが如くー! M「いや〜まさにグッチさんみたいな感じで」えっそっち? M「グッチさんは"Bohemian Raphsody"と「犬のおまわりさん」をカバーしててね、動画があるので帰ったら検索して頂いて」

M「さて、我々ハモカン、色々なレパートリーがあるわけですけど……小田和正さんをやろうかなって。これも明治安田生命のCMソングになってる、『たしかなこと』っていう曲ですけど……今回新曲たくさんあって大変だったね!?」今さら気づく難曲探検隊。
M「アルバムのレコーディングに呼ばれたんですよ。その時もうCMとして流れてたし、すごく光栄で、同時にすごくプレッシャーでもあって。で、レコーディングに行ったら、佐藤竹善さんがいらして。竹善さんが歌うと、周りからびいんって音がするんですよね。よく見たら、声を出すと竹善さん自身がびいんって共鳴してるんですよ。竹善さんは歌うために生まれてきたような方で、 で、そんな竹善さんと一緒にコーラスをやることになって。……
僕と竹善さんのコーラスがいちばん聞こえるのは、2番頭の『時を 超えて』ってところなんですけど、今日は竹善さんのパートを荒井君にやってもらおうと思って。で、僕のパートを加藤君に」N「降ろしてます」K「今光田さん降ろしてます」M「光田を降ろしてもらって」 どうやって!? M「で、いろんな方がカバーしてますけど、今回は原曲に忠実にやろうと思って。間奏で三声のコーラスがあって、そこ僕がやるのかなーと思ってたら、小田さんが来て、『僕が入れます』って。今日はその小田さんのパートを長谷川さんに」H「頑張ります」

 

ゆるりと始まる「たしかなこと」。実はこの4人でやるのって珍しいかも。イントロのグロッケン健ちゃんとみったさんがお互い目を合わせながら、音を重ねていく。そこによりそう長谷川さんのギターもいいなあ。

Stylisticsにも通じるところがあるんだけど、「なんとなく」聞いたことがある曲を、こうやってまた新しく描き直して、こうだよ、ってそっと示せるのがとってもいいなって思う。ハモカンの描き直す景色って、鮮やかで、かつちゃんとした温度があるんだよね。

心なしか、ちょっと緊張した感じでコーラスを入れていくかとけん。長谷川さんのギターに3声のコーラスが乗っかっていくのがすごく贅沢。

最後の方で、こないだ3人がいた蒲田の風景がだぶつく。今日は空もあんまり見えないし、聞ける風の音もないけれど、それでも変わらないたしかなことは、お互いきっと……、きっと見えているはず。

楽しい曲一辺倒にならず、ハモカンのレパートリーに「世界の幅」が増えてきたのもいいなって思う。

 K.N「光田健一ー!」

 

そして次はそのまま長谷川さんの「Snow Bird」。これがここできたか!かとけんのイントロコーラスをギターが優しく引き取る。このイントロのギターフレーズも好きでね~……

長谷川さんの喋り方と音の高低に気が配られていて、そのまま物語を語るように進んでいく歌。クリスマツリといえばな一曲なのは「白い天使ー」も同じなんだけど、描く世界はある意味対照的なのが面白い。

これはみったさんのアレンジもめちゃくちゃ効いてて、同じフレーズパターンでもコーラスに細かい違いがあって。これが曲自体の、歌詞自体の持つストーリーとうまく噛み合ってて、ぐっと曲が立ち上がってくる。かとちが鳴り物*3するのも珍しいよね。

「たしかなこと」から「Snow Bird」に緩やかにつながる感じもよいなあ。みったさんから長谷川さんに、2曲ずつのブロックでゆっくり語っていく感じ。

 

M「『たしかなこと』、そして長谷川さんの『Snow Bird』でした。この『Snow Bird』っていうのはちょっと聞くとポップな感じなんだけど、歌詞は結構切ない感じで。"君は白く染まった髪を~……、"なんでしたっけ」H「違います」M「違う」H「白髪じゃないです」M「……"白く染まった夜をはばたくSnow Bird"、ですね。"翼にしがみついた僕を払って飛んだ"、……こう、シッシッ!、て。」いたずらっぽく手で何かを払うみったさんと、ちょっと違うぞ、って感じの顔をする長谷川さん。M「今年のことは今年のうちに終わらせとく、みたいな。女性の方って結構こういう傾向が強いですよね。我々結構引きずっちゃうことが多いんですけど、女性の方は割とさっぱりして、はい次、みたいな」

M「で、この"Snow Bird"が入ってる長谷川さんの『ウタマチヰズム』っていうアルバムは……どこで買えるんですか?」H「なんと今日売ってるんですよ」もったいぶる長谷川さん。M「そうです、後ろの出口のところで売ってるんです。みなさん出口ってどこだかご存知ですか?……来るとき入り口だったところなんですよ。不思議ですねえ」

 

そしてそろそろお待ちかね、健ちゃんのターン。M「"ボヘミアン・ラプソディ"、観にいかれた方は……拍手して頂ければ」結構な音量の拍手。 M「我々も全員見に行ったんですよ。長谷川さんなんか3回も見に行って。僕は4DXで見たんですけどね、xxの映画館で。……最初IMAXで見たかったんですよ。でも満席で。どうしてもその日しか空いてなくて、でもなんか感度の高いやつを見たいなと思って、じゃあ4DXっていうのがあるからこれにしよう!と思って。 そしたら椅子が揺れるんですよ、ドゥンドゥンパッ、ドゥンドゥンパッ、って」左右にドゥンドゥン揺れるみったさん。M「で、雨のシーンでちょっと埃っぽい感じの霧がぷしゅって出てきて。なんだか埃っぽい水でしたけど。 4DXで"ボヘミアン・ラプソディ"を見るのはおすすめしませんね」でしょうねえ……

M「音楽映画って、いわゆるこれ喋っちゃったらネタバレになるだろ、ってシーンはほぼないと思うんですよ。で、フレディ・マーキュリーの生涯、って、それこそBBCとかで何度もやってて、イギリス人はもう多くの人がある程度知っているわけで。でも、映画を作るにあたってはあえて事実と違うようにしたところがあって……、あれっ、そこはその順番だったっけ? っていうところとか。知ってる人は却ってそこが気になってしまって、中身が入ってこなくなっちゃったり。そこのところで議論がやっぱり結構あるみたいですけど。

でも、作品としてひとつある以上、それはひとつの作品としてきちんととらえるべきだと思うんです」ここのみったさんの結論部分があやふやで申し訳ない。でも、ひとつひとつ、ものを、音楽をつくる、みったさんのスタンスとして、聞いていてすごく納得するところがあったなあ。

M「で、……見に行った人……じゃなくて、まだ見てないよーって人は拍手をしていただいて……」拍手をするのが気が引ける、ってほどではない感じ。M「じゃあ今からそういう人たちのために、我々が"LIVE AID"っていう、映画の中にも出てくる、20世紀最大のチャリティー・ライブの再現っぽいことをやるんですけど、この"LIVE AID"は、久しぶりにQUEEN4人が演奏したライブでもあるんですよね。これを今日はこの4人の中で最後に見に行った健一君に……」健ちゃんが満を持してピアノの前に出てくる。M「フレディ荒井です」N「……どうも、フレディ荒井です」受けちゃった。
N「……ブライアン・メイが書いた、"We Are The Champions"に関する記事を読んだんですけど。このweは"we"……我々、じゃなくて、"you"の複数形で。だから"我々がチャンピオンー勝者"、ではなく、ひとりひとりそれぞれがチャンピオンである、という。だから"We Are The Champion"ではなく、"We Are The Champions"」イアノのへりをつかんで、自分に言い聞かせるように、周りに諭すように話す健ちゃん。ここからもう、健ちゃんのステージははじまってる。

 

"We All Love Queen"メドレー、1曲目は"We Are The Champions"。"We Will Rock You"と同じくロッドマイクで臨む健ちゃん。最初はみったさんのピアノソロで静かに語って、一気に長谷川さんのギターとかとちが入ってくる。緩急のつけ方が鮮やかだし、健ちゃんに応えていく他の3人の音の豊かさよ。この4人ひとりひとりが"Champions"であるし、この場に居合わせる我々もきっと、ひとりひとりがなにかしらの"Champions"なんだろうとかみしめる。

だいたい健ちゃん先行でコーラスが応えるパターンが多かったんだけど、たまにひっくり返る一瞬があって、それがかっこよかった。

 

続いて"Don't Stop Me Now"。こ、これ、今の健ちゃんで聞いてみたかったやつだ!
今回、健ちゃんにこれをやってほしかった、こういうのが見たかった、っていうのがとっても多くて、しかも実際の健ちゃんのエネルギーがこっちの想像を一段階も二段階も超えてくる。ことばと音符がスピードと熱をもってこっちに飛び込んできて、かきまわしてくる。んで、ステージからマイク持ったままの勢いでこっちに降りてきたり、かとちにがーっと寄っていったりする。かとちはちょっとびっくりして、でもなんだか満足げだし、楽しげ。

"supersonic-"のスピードあるコーラスの下りが、後ろとびしーっと重なると気持ちいい。音速を超えたって、お互いぴったりついていくし、重なっていく。

 

そして"Bohemian Rhapsody"。今年何度も何度も編成を変え場所を変えて聞いていて、そのたびに「歌は生き物である」ことを痛烈に実感する1曲。

健ちゃんの歌い方の細かいところが、ちゃんと"ボヘミアン・ラプソディ"の歌い方になってて。きっと映像や、動きにすごく共鳴する人なんだと思う。映画ひとつにあんなに共鳴して、吸収して、それを丁寧に、熱をもって吐き出していく。会場の耳だって、クラップだって、すごく熱をもってる。そしてその健ちゃんをしっかり支えて、応えていく3人よ。

 

健ちゃんの歌い方は、どうやら明らかになにかつかんだようで。エネルギーの変換効率がよくなった、っていうと理屈っぽくなってしまうんだけど……、すごく「ストレートに聞かせていて、でも柔軟さももつ」感じ……この柔軟さっていうのは柔らかさではなくて、適応しやすさのレベルがあがってる、っていう……俗な言い方をすると、「歌う生き物」として一段階進化したような気がしてる。

 

最後にはあって大きく息を吐いて、健ちゃん「メリークリスマス」。M「荒井健一ー!」と大きく、熱のこもった拍手。メリークリスマス。ほんっとにいいもんみました。

 

で、ここからノンストップで毎年恒例のメドレーに突入していきますが、それはまた次の記事で……ノンストップでやるんかいってびっくりしたよ……

*1:厳密には12/25当日も来日中 http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=11184&shop=1

*2:マンダムが会社名で、GATSBYが商品名

*3:カシシ