9/17 ザッツ・ロマンチカ!/新鎌ヶ谷 MT Milly's(1部)

ツアーの折り返し、千葉の新鎌ヶ谷公演。"ロマンチカ"な呼称もそこそこの地上2階、ハモカンさんが新鎌ヶ谷までくるのは結構久しぶり。駅前には東経140度線が通ってるんですよ。

おなじみ開演ドラムロールはあの、あれ。ちょっと行進っぽくって、きらきらしてるあれ…… なんかもうなにが流れても私驚かないぞ……

 登場したメンバーはデラックスなベストに黒シャツ赤ネクタイ。ベストが黒地だから柄もよく映えるねえ。

 

簡単な挨拶をして1曲目、ピアノとギター、健ちゃんのパーカス*1が鳴って「Birdland」。去年の目玉を今年のトップにもってくる。やっぱりいきなりって大変じゃないかと思う。でもアルバムのトップもBirdlandだから、なぞらえて先頭に持ってきたのかな。

冒頭の"5,000 light years……,"から光田さんのお声の調子がちょーっと怪しいような……ただそれを我々が曲を聞きながら心配するのって本筋じゃないし、光田さんは調子が悪ければちゃんと後で「調子が悪いです」って仰る正直な方だし、気にかけながら聞く、に留める。

かとちがそんな光田さんをしっかりと引き取って音を重ねていって、ああ、ハモカンはちゃんと「声がひとつになる」グループになったんだ、って思った。健一さんが入って、長谷川さんが入って、めまぐるしくボーカルが、スポットの当たるパートが変わっていく。それでも全員芯にぶれがない。広がるコーラスはばっと一瞬で広がる。

かとちのソロ超絶技巧パートはCDでももちろん聞けるけど、やっぱり生で耳にしてほしい。体の使い方、息の遣い方、他のメンバーのサポート。全般を通して手拍子を入れられるようになって、見てて聞いてて安心する。健ちゃんのリズムキープもいいねえ。

 

N(荒井)「こんにちは!(ザ・)ハモーレ・エ・カンターレです!」K(加藤)「こんにちはー!!」あっ光田さんが口火を切らない。K「ツアーも半分過ぎて、今日が折り返しで」すかさず何かを折り返すジェスチャーをする光田さん。N「一番脂がのってる時期ですね」K「脂がのってる……」健ちゃんのお腹を手のひらで狙うかとち。N「のっけから何言ってんだ、戻りガツオみたいな」ハモカンが新鎌ヶ谷に戻ってきましたよー!

N「さっきから光田さん一言もしゃべってない」K「さっき"折り返し"のところで(光田さん)なにか折り返してましたけど」N「ノッポさんみたいな」「ゴン太くん」「できるかな」すかさず弾かれるピアノ。 M(光田)「ごほごほ」第一声がそんなことあります!? M「どうも、ゴン太くんです」ちゃいますって。

M「えー、過酷なこのツアーで、ちょっと声のカートリッジを名古屋に置いてきてしまいまして……喋る声はこの通りそんなに問題ないんですけど、歌う声にはちょっと問題があって……お聞き苦しいところもあるかもしれないんですが、どうぞみなさん最後までお楽しみ頂ければと思います」

そして光田さんが引き取ってメンバー紹介。もちろんH.M.K.N.それぞれポーズ付き! M「ハモカン、なんとたまたま、我々の頭文字とイニシャルが一致したんですよ」満足げな光田さんと何か言いたげな健ちゃん。N「光田さんだってけんー、いちなのに」M「たまにはM代わろうか」N「元々Mなので」なんですって?

 

M「そんな我々ハモカン、今年の1月にアルバム"ザッツ・ハモカナイズ!"をリリースして、みなさんもうお手元にあるかと思いますけど……ない方は今日も売っているので買って頂ければと思うんですけど、できた後になんか足りないな、って思ったんですよ。ロマンチックな曲が足りないなーって思って、じゃあそれを今年のツアーでやろう、って思って。

"TOTO"って知ってますか? ティー・オー・ティー・オー、で"TOTO"。別にあれとは関係ないですよ」H「スタジオミュージシャンを中心に結成されたバンドなんですよ」長谷川さんが引き取る。H(長谷川)「ギターにSteve Lukatherがいたりしてね」M「そうそう。AOR、Adult(Album)-Oriented Rockっていう、ちょっと大人向けのロック、っていうジャンルの曲で。そこから"Rosanna"っていうロマンチックな曲をやろうかな、と。その次には長谷川さんのこれもロマンチックな曲ですね、『今さら愛してる』を。2曲続けてお聞きください」

そしてはじまった「Rosanna」。裏拍メインのリズム(ハーフ(タイム)シャッフル)がとにかく気持ちいい1曲。光田さんのちょっと喋るようなボーカルから始まる。この光田さんの歌い方好きだなあ。そしてお次は健ちゃんに。AメロからBメロに移るときの"Ta-Da!"って鳴る音がとにかく好きなんですよ。

"Not quiet a year-"からは一気にぎゅっとユニゾンになって、そのまま"Meet you all the way"の部分を大きく聞かせる。サビ前の特徴的なフレーズは光田さんが引き取る。かとちが身体でリズムを刻む。長谷川さんのギターが細かいフレーズや息遣いまでくまなくよく聞こえてくる。

光田さんは間奏で色んな曲の色んなフレーズをとにかく隙間なく詰め込んでいく。健ちゃんはとにかくごきげんで、エアギターなんかやっちゃう。かわいい。

今期各所でべた褒めしてるRosanna、私ほんっとに好きなんですよ。かゆいところに手が届く……というか、そうそう!私そういう曲好きだった!そういうアレンジが好きだった! がまるっと詰め込まれてる感じ。開いて飛び出す絵本みたいなの。それぞれの見せ場もちゃんとあるし、いいなあ~……

 

続いて映画のSEが入って「今さら愛してる」。ハモカンではじめて聞いたのは16年クリスマツリでしたね(書けてないけど)。最初は長谷川さんの弾き語りギターソロ。これがもうねー、めっちゃくっちゃ贅沢なんですよ。すうっと空間に溶けていって、それでいて深く響く。歌詞のことばの選び方とか、ギターと歌のほどよいブレスのバランスとか、ゆったり身を預けて聞いていたい。

「I  Love You」からゆっくりコーラスが入る。絶妙なポイントにぴっちり字ハモが溶けていくスタイルをメインにとっていて、この光田さんのアレンジもお洒落。「嘘っぽい」の音程の緊張感とか、細かいところまですごくよくゆきとどいている。

2番頭、「いい時ばかりだけじゃー」のブロックが、長谷川さんのカウント主導でまるっとアカペラに。歌詞と急にアカペラになったどきどきした感じがリンクしてて、これもまたとってもいい。

最後、「今さら愛してる」のコーラスが光田さんの手のカウントで3回鳴りが変わるんだけど、そこもとっても好きなの。

時間軸も空間もすごく贅沢に使っている曲で、つくづくハモカンはこの曲と出会えてよかったなあと思う。聞いていてとっても気持ちいい。

 

M「TOTOの"Rosanna"、そして『今さら愛してる』でした。『今さら愛してる』はもともとミッキー・カーチスさんに長谷川さんが提供した曲で」H「そうなんですよ。お会いした時からパワフルな方で、『俺は1日1食しか食べないんだ』とか言ってらして。あと歌詞をすごく褒めていただいて。『友二、ここがいいんだ』って。"約束した晩の帰り道で 僕は誰よりも君の顔を思い出せなくなる"っていう部分があるんですけど、わたせせいぞうさんの『ハートカクテル』っていう漫画があって」N「週刊サンデーで連載してた*2」H「そうそう。その中にそういうシーンがあって、いいなと思って。自分の中で印象が強すぎて、逆に後で相手の顔を思い出せなくなってしまうんですよね」

M「そんな『今さら愛してる』が入ってるミッキー・カーチスさんのアルバム、『Mr.RAINBOW』、96年の作品ということで」H「20年以上前のものなので、廃盤になってますね……」M「こないだamazonで見たんですけど、中古で8000円とか9000円とかになってて」ひええ…… M「気になった方はぜひポチっとして頂いて」H「ポチっとできますから」K「こないだまでヤフオクにもありましたよ」

 

M「ところでみなさん、この中に今日誕生日の方はいらっしゃいます?」!? お互いがお互いを見渡す会場。M「いらっしゃらないですかね……いらっしゃったならこう、ステージの真ん中にあげて、誕生日の曲をやろうかと思ったんですけど」あげにくいですって。

M「みなさん誕生日年に一度はあると思うんですけど」K「2月29日生まれの人以外は」N「何『俺知ってるよ』みたいな顔して」M「しかもそんな大したことない」続けざまにツッコミを食らうかとち。K「今話の流れを途中で切っちゃったなーって反省してます」

M「……ともかく、今僕らがこうして同じ時代に生きて、今この時間を同じ場所で過ごしているのが奇跡みたいだなって思うんですよ。例えば350年前に生まれてたら……江戸時代ですよ、我々今こうして出会えなかった。そんなみなさんひとりひとりの誕生日をお祝いする曲です」

 

光田さんリードで「ずっとHappy Birthday!!」。光田さんのピアノに、声に、健ちゃんのグロッケンからはじまって、するりと他のメンバーが寄り添っていく。

光田さんの曲って、言葉と音を単純に見ていくとそれぞれすごくシンプルなんだけど、言葉と音の重ね方や、歌詞の選び方まで高次的に見ると、いくつもいくつも細かいところや風景、響き方を考えてらっしゃる。そんなところがとっても好き。

今を生きてる「こんな私」は「幸運」で。不確かな「今」で、幸せをお互いに約束できる/されることも、どれだけまた幸運か。

あとね、「誕生日(記念日)を祝う」っていうことって、お互いがお互いのことを大切に思っていないとできないことだなって最近強く思う。自分の誕生日なんてすごく遠いんだけど、すごく久しぶりに祝われている気がした。単純なことなのに、嬉しくなるんだね。

最後にピアノで「Happy Birthday to you」がワンフレーズだけ響いて、 そのままゆっくりと光田さんが両手を握りしめる。

 

光田健一ー!」紹介はかとちだったかな。N「……この曲好きなんですよ、今日敬老の日だし」M「悪かったな敬老で」とか言いつつなんだかお互いほっこり。

M「そういえばここで1回だけRAG FAIRのHANAをやったことがあったね」K「そうですね」M「今日はやらないけど」

光田さんが引き取ってMCへ。M 「今年は本当に災害が多くて。僕らこないだも九州まで行ってきたんですけど、去年のツアーの九州公演は雨で延期になってしまって。……ここ最近の雨はぴちぴち・ちゃぷちゃぷ・らんらんらん、どころじゃなくて、各地に色々な災害をもたらしてしまうものになってしまってますけど。脅すわけじゃないですけどいつなにが起こるかわからないので、我々もしっかり備えた方がいいと思ってて。大切な人を失いたくなくって。備えあれば嬉しいな、っていうのがあるんですよ」ちょっと違いますね。M「一文字違うだけでだいぶ違うんですよ、『郷ひろみ、ゴミ拾う』っていうのもあるし、『檀ふみ、ごみふんだ』っていうのもある」N「ゴミばっかじゃないですか」K「大乃国、肉多い」かとちどやって顔してたけど、それ回文でもアナグラムでもなくない……?

M「そんな雨でも、雨の日なりの楽しみ方があるんじゃないかって思うんですよ。雨で野球が中止になっても、サッカーは雨の中やるスポーツですけど」あっ確かに。M「じゃあ我々には卓球があるぞ!とか」卓球!で反応してひとりでエア卓球をやりだすかとち。M「……ずっとやってるよ」N「さっきの失敗を取り戻そうとしてる」つくづくわかりやすい子。M「ポートボールとか……」手でボールをつきながらやってくる光田さん。M「なんでポートボールっていいながら手はバスケ……」あっほんとだ。

N「林間学校で山登りが中止になって、ずっとUNOやってる、みたいな」「トランプとかUNOとか」

 

M「そんな感じで、『雨の名曲メドレー』をお届けしようかと思っています。1曲目は(The)Cascadesの"悲しき雨音"。60年代の曲ですね。健一くんのグロッケンがきれいな曲です。長谷川さんが荒井君のお母さんを思い浮かべながら歌います」H「この辺にね」顔の前の、ちょっと上の方をふんわり手でくくる長谷川さん。N「そんなところに思い浮かべないでください。元気ですから。一昨日(の六本木公演)も来てたんですから」「元気なの?」N「元気です、埼玉に住んでます」

M「2曲目は"CCR"、Creedence Clearwater Revivalの"雨を見たかい"。CMソングにもなってたことがありますね。これは荒井君が実のお母さんを思い浮かべながら歌います」N「そんな複雑な家庭みたいな」

M「3曲目は小室等さんと六文銭というグループの、『雨が空から降れば』。これは僕が歌います。そして4曲目は加藤君が歌います。曲名は……」K「この曲京王電鉄のCMソングで流れてましたよ」ニヤっとする光田さん。M「じゃあ一旦整理しましょうか。1曲目は『悲しき雨音』、」言いながら長谷川さんをさす。「2曲目は『雨を見たかい』、」健ちゃん、「3曲目は『雨が空から降れば』」、光田さん、「で、4曲目が京王のCMソングですね」かとち。

 

雨の名曲メドレーへ。健ちゃんのグロッケンと光田さんのピアノから入る「悲しき雨音」。かとちと長谷川さんのコーラスが気持ちいい。

長谷川さんのメロディ部分にもバックのコーラスが重なって入って、一気に世界を描いていく。原曲の歌詞が持つ言葉の響きとか、リズムの取り方を大切に歌ってらっしゃる印象。

続いて健ちゃん「雨を見たかい」。健ちゃんリードで他の3人はコーラスに。このコーラスもちゃんと音が積まれてて好きだし、この1:3のパート割がむちゃくちゃ効いてる。シンプルな進行が却って健一さんの歌い方を浮き上がらせていく。健ちゃんはつくづく英詞曲の歌い方、っていうか語り方がほんとうにスキルアップしたよね。長谷川さんとまた違った気持ちよさがある。"I want to know"の歌い方がすごく好き。

 

光田さんのピアノが引き取って、「雨が空から降れば」。この2曲が続けてくるのが面白いなって思う。健ちゃんががーっとスケール感を大きく歌った後に、しっぽりと光田さんがおさめてくるその対比。光田さんの歌の歌い方って、景色を細やかにゆるやかに描いていて、とてもいいなあと思う。まだ調子が追い付かないようだけど、それでも気持ちよさそうに歌っていて、光田さんの声が伸びていく。

 

メドレー最後、「雨にぬれても」。かとちのちょっとハネるような歌い方が気持ちいい。フレーズの最後が上がるとこがかわいいよね。

コーラスが今までの3曲は追っかけとか、フレーズの後半に入るパターンが多かったんだけど、これはかとちにあわせてはじめから一緒にコーラスも動く。この細かいアレンジの作りは、ほんとうにさすが光田さん。

そしてこれ、アウトロがめちゃめちゃお洒落。Rosannaといいこれといい、つくづく私こういうアレンジに弱いんですよ……

 

M「雨の名曲メドレーでした。加藤君のは『雨に濡れても』ですね。京王のCMソングだったの?新京成じゃなく?」K「京王ですね」ご当地ネタが来ても譲らない。

M「今日は2部構成でお送りしようと思っています。前半最後の曲です。11月には映画も公開されますけど、そんな"Bohemian Rhapsody"をやろうかと思います」前に出てくる健ちゃん。

 

そして待ってました、「Bohemian Rhapsody」!最近の健ちゃんのエネルギーを歌にするときの変換効率、っていうのかな、それがほんとうにめきめきめきって音を立てて上がってきてる。

静かに燃える健ちゃんのリードを聞きながら、こっちの心臓の音が高くなっていくのを感じる。健ちゃんのエネルギーを受け留めるために、こっちは1ミリだって身動きが取れなくなる。でも、それを決してしんどいなんて思わない。そんな感情も感じる隙間がない、ことを却って心地よく思う。自分の感情が、心臓の動きが、健ちゃんに全部つかまれて、ゆだねるしかない感じ。

「for me-」の後のバックのギターのリズムで思い出したように手拍子を打って。健ちゃんが世界を描くことのサポートに徹する残り3人の引き具合もすごくよいバランスになっていてね。ラストとはいえ、1部にこんな曲を持ってきちゃうんだよ、ハモカンって。

 

荒井健一ー!!」

 

*1:カバサ

*2:正しくは『モーニング』