6/9 ザッツ・ハモカナイズ!DX/成城ホール(1部その1)

昼食に困るわけでもなく、かといって夜ご飯とも兼ねあういい時間、16時開演。会場入り口側からホールに入った人が大半だったかな。

 

時間になって、会場が暗くなっていく。とはいえ舞台はすぐに人が出る感じでもなく。入り口側のドアが開いて、4人が入ってくる! これはちょっといい意味で予想してなかった!

ザッツ・ハモカナイズDX、1曲目はマルチアカペラで「I Can See Clealy Now」!

きらきらしたDXなベストでホールの通路を歌いながら歩いていくハモカンメンバー。ベストの下の上下は黒で、ネクタイが赤なのもいいなー。使ってる色はそれなりにあるんだけど、うるさくならずにお洒落に仕上がってる。背中はきれいな青。

ああ、さすがホールだ。声がきれいにクリアに響く。きっと歌っていてすごく気持ちいいだろうな。各々のソロパートで動く手がすごく自由なの。

ある程度ホールの通路を歩いたら止まって、そのまま歌い続ける。ホールだから舞台に上がっても客席はみやすいと思うんだけど、通路より後ろにちゃんと歌いに行く、比喩でもなんでもなく「声を届けに行く」その心遣いが素敵。

横列では割とど真ん中だったから、あえて声だけをしっかり聞いてみる一幕もあったり。

そして全員舞台に戻って、続けて「Birdland」!  ドラムス新村さん、ベース土井さんスタンバイ済み! ピアノが!スタインウェイ!!

イントロから、音の厚みが違う。いや、確かに6人になって、楽器の細かい音割が変わって、光田さん長谷川さんが自由になった分、新しい音が増えるのは当たり前で、単純計算で"出せる音"は1.5倍になるわけなんだけど、だからといって決して音を増やしすぎない。それでいて1音1音がクリアに重なっていくアレンジ。これでまだ2曲目よ……?

冒頭の光田さんと長谷川さんにかとちが、健ちゃんが重なっていく。

前半は楽器メインで、かとけんがハモりつつも楽器の音をしっかりと聞かせる。普段は「光田さんと長谷川さんがベースっぽいこととドラムっぽいことをやっている」(かとち談)けど、本物のドラムとベースが入っての新しい楽器編成になったわけで、やっぱりめちゃくちゃ精巧に音を足して割ってある。あー、でも光田さんと長谷川さんは、やっぱりすごく自由になってる。

「In the middle of…」のW健一(光田さん&健ちゃん)コンビもとってもよくて、そこからまたさっきと違う風に歌声が、音が増えて、重なっていって。

長谷川さん&かとちの会話みたいなかけあい。「Down them stairs」でハモってしっかり鳴らして、遊びもありつつ、「Down in Bildland」ではしっかりと重なったコーラスワーク。ピアノ、ギターソロが入っての、光田さん&かとちの音の距離のある、でも重なり合うハモり。

そして「How well,」からのこのかとちの超絶技巧その1ですよ…… 光田さんもよくかとちはできるって思わせたよ……これはめちゃくちゃすごいから絶対に生で一度聞いてほしい。すっかり「超絶技巧」の通り名でおなじみになってるけど、かとちもすっかりけろっとやってるけど、あのねえ、これソロ取ってる人もバックもめちゃくちゃ高いスペックないとできないからね。

長谷川さん、かとち、光田さんが「Yes,indeed,he did」を歌い継いで、一瞬かとちと光田さんが重なって、長谷川さんももっかい重なって、健ちゃんが入って、光田さんと健ちゃんになって、冒頭と同じ構成に戻る。光田さん&長谷川さんからかとち、健ちゃんが重なる。でもところどころさっきとは違う、遊びのコーラスや音が入っていて。W健一コンビもまた違った新しい形で聞かせる。

 

2ブロック目の「Down them stairs,」かとちが入ってきれいに音階を駆け上がって駆け下りていく。ここの「Down in Bildland」のコーラス、直前の「yeah」の細かい動きも含めてめちゃくちゃ好き。

そして全員でハモっていたところから、ゆるやかにかとちの超絶技巧がもっかいはじまっていく。「Yeah!」と高らかに鳴らした直後に「Music is good,」から低音で鳴らす。この切り替えもめちゃくちゃすごいのよ。一瞬で声の出し方を切り替えて、でも使う口の形はおんなじで。

「Dig in Birdland,Yeah!」今日はすごい1日になるぞー!!

 

 M(光田)「みなさんこんにちは、ザ・ハモーレ・エ・カンターレです!」こんにちはー!! M「今日は忘れもしない2018年6月9日、みなさん大事な予定もあったでしょうに、今日都合をつけてここに来てくださってありがとうございます!今日も雨模様かと思ったんですけどすっかり晴れて……もう梅雨入りしたんだっけ?」してるしてる。M「ミドルオブ梅雨ですね~」ニヤッと笑う光田さん。

M「ザッツ・ハモカナイズDX(デラックス)! 我々ハモカン、昨年の12月……扱いでいいのかな? にアルバムを出しまして、今年の1月に全国流通を果たして一般発売となったわけですけど。今日がいわゆる"レコ発ライブ"ということですね。アルバムのタイトルが"That's HaMoKa-Nize!"っていうんですけど、この"ザッツ・ハモカナイズ"って荒井君が言い出したことですけど……ハンバーガー食べながら……去年の春くらいにちゃんとしたハンバーガー食べながら話してて、」N(荒井)「そう、1皿1000円くらいするやつ。ちゃんとしたハンバーガーです」M「でその時加藤くんがポテト頼んで」K(加藤)「うん」「みんなでシェアするのかなって思ってたら、来たポテトのお皿を自分の前に置いて、『ありがとうございます』って」K「……」M「『ありがとうございます、僕のです』って、全部もってっちゃった」思わぬ方向からダメージを受けてるかとち。「シェアするかと思ってた」

M「長谷川さんが差し入れでよくプリンを買ってきてくれるんですよ。でも加藤君はプリンが食べられなくて、代わりにバウムクーヘンを……バウムクーヘンならなんでもいいんだっけ?高いやつじゃないとだめ?」K「いや、高いやつかどうかは関係なくて、僕乳製品が食べられないんですよね」M「セブンのはどうなの」K「セブンは……大丈夫ですね」M「月餅ってあるじゃん、横浜中華街に売ってるやつ。あれは大丈夫?」K「大丈夫……だと思います」

M「ザッツ・ハモカナイズDX! ということで、」N「今日はDXですから!いつものツアーとは違うんですよ!」元気に切り込んでくる健一さん。M「何が違うの?」N「……なにが?」一瞬で勢いを失う。

M「ザッツ・ハモカナイズDX、いつもよりもデラックスな編成でお届けしています!」おおー! M「ドラムス、新村泰文ー!、ベース、土井孝幸ー!」はじめましてー!! 今日はよろしくお願いしますー!

M「我々ハモカン、メンバー紹介をします、まずはギター担当、長谷川友二ー!」長谷川のH!「ピアノ・リーダー。光田健一ー!」光田のM!  M「ボーカル・加藤慶之ー!」加藤のK! M「同じくボーカル、荒井健一んー!」 けんいちんー、のN! M「ドラムス・パーカッション新村泰文ー!新ちゃん、S!」えっそれも? M「ベース、土井孝幸ー! 土井ちゃん、D!」S,Dもしっかりと決めてくるかとけん。

M「そして世田谷区は成城ホールで我々初めてのホールコンサートです。……なんか客席から余裕があるよね、『今日は一体何をやってくれるんだい?』みたいな」N「ゆとりを感じる」M「丸椅子だったり、パイプ椅子に座ってもらうこともあったりするから……」会場によってはドリンクやオーダーが必須だったり、普段はもっとライブハウスです!っていう感じのところでやってることが多いハモカン。 M「(しっかりした)椅子があるということは、普段より余裕をもってもいいということですね?」 相変わらずニヤッとする光田さん。 K「いや、普段通りで」M「……なんかちょっと、今日距離遠いよね、さびしいね」ピアノが大きい分、長谷川さん&光田さんをはじめとした楽器組とかとけんはいつもより若干距離が遠め。K「いや、大丈夫です」M「大丈夫ですって言われちゃった」

M「そんな我々ザ・ハモーレ・エ・カンターレ、略してハモカン、1曲目にみなさんの周りをねりねり練り歩いたりなんかしちゃってアカペラでお届けしちゃったのは"I Can See Clearly Now"ですね。元々はJohnny Nashが歌っていた曲で、後々Jimmy Cliffがカバーした曲を我々がアカペラでやってみました。次にバンド編成でやったのは"Birdland"。元々はWeather Reportの曲にManhattan Transferが歌詞をつけてカバーした曲ですけど、もう加藤君の超絶技巧がすごくて……原曲ではJoe Zawinulのソロパートのところなんですけど、最初加藤君にこの曲やるよって言って譜面を渡したとき、え゛、ってすごい顔をされて」「え゛、って顔してた」K「うん、まあ……」最初かとちは光田さんに「これできません!!」って言っちゃったらしいけど、気持ちはわかる。M「でも今はもうすっかり職人になって……」「ポテトばっかり食べてるから」そこ……? 

M「次にやる曲は"Four Brothers"っていって、これもManhattan Transferの曲ですけど、Woody Herman Orchestraの曲に歌詞を付けた曲で。そんな"Four Brothes"から3曲続けて聞いていただければと思います。改めて本日はどうぞよろしくお願いします!」

 

3曲目、「Four Brothers」。"ごきげんな4兄弟"の曲ですね。これもイントロのフレーズからめちゃくちゃ大好きで、喋るように歌いつつ、うねるようにメロディーが動いていくのが大好きな1曲。これにイントロからドラムとベースが入るんだよ~めっちゃいいじゃん~

「So settle the-」のところで、それまでのフレーズの熱量を保ちながらほんのりと転調していくところが好き。これも4人の声がぴったり重なるからきれいに音が描ける。

光田さんがDoo-Wopのところのピアノがフリーになって、4人編成でやるとピアノを弾きながら体ごとを左右にゆらすというそれはそれで超絶技巧が見られたんだけど、今回はコーラスだけになってて、そこで歌だけで左右に揺れる光田さんは激レア。長谷川さんもギターごと身体を揺らす。かとけんが「Doo-wop」のフレーズに合わせて左右に揺れながら金管を吹くフリをするのもかわいいよね。

そして、リズムキープのドラムだけとアカペラ、っていう贅沢な一瞬が。これはほんっとうに6人ならではだなー! とっても素敵だった!

あ、ちなみに、CD音源を聴くときは、左右の振り分けがしっかり入った環境で聞くのをおすすめします。楽しいよ。

 

続いて光田さんがキーボードに回ってジャズ系のイントロ。かとちがマイクリールをぐっと伸ばしてうきうきで前に出てくる。ハモカンでだいぶ久しぶりな1曲、「Sir Duke」!

このかとちはめっちゃくっちゃに楽しそうで。踊りながら、というかごきげんな動きをしながら、気持ちよさそうに歌っていく。今日の、特にこの曲のかとちは本当にめちゃごきげんでしたね。身体から音符があふれだして、今にも零れ落ちてくるんじゃないか、って思うくらい。

合いの手みたいな「aiyaiya~」「ta-da!」っていうコーラスもいいよね。合わせて「Good Good Day!」みたいに指差しをしたくなるごきげんな曲。フェイクもきらびやかに伸びていく。ハモカンバージョンで、しかもドラム・ベースが入ってキーボードで聞けるとは思ってなくて。楽しくて、嬉しかった1曲。

M「加藤慶之ー!」頭を下げていつもの場所に戻っていくかとち。お疲れさまでした!

続いてこれもハモカンでは久しぶり、「東京という街で」。きらきらした「Sir Duke」の世界から一転して、しっかりとした東京の街の景色を光田さんが描いていく。私にとって遠くなった、遠くなってしまった街がゆらゆらゆれて立ち上がって重なる。私の知らない間に変わりゆく街、遠くなる海岸。

サビのうっとりと重なるハモり。昔の街にだって、確かに私にとって響きあえる大切な人はいたのに、私の都合で街を去って、すっかりろくろく顧みなくなってしまって。移りゆく風景と変わらない心が、今でもそこにはあるんだろうか。

最後の最後にばっと広がる東京の青空。光田さんが作る曲の、歌う曲の、つややかにゆるやかに紡がれていく音が、そっと胸の形にそっていく。こういうところがすごくすごく好き。